∞メール No.29

∞メールの全体は コチラ からダウンロードできます。
一部を抜粋したものを下に掲載しています。

会員の皆様
新型コロナウイルス感染症の流行は悪化し、現在、第4波が押し寄せています。まだ、この波は高くなりそうです。この悪化の原因の1つは新型コロナウイルスが進化し、変異株が加わったことも挙げられます。進化する生物は強いのでしょう。
対応策の1つとして、日本でもワクチン接種が開始されました。新型コロナウイルス感染症に専門的にかかわる医療従事者には2月17日から、また、65歳以上の高齢者には4月12日からワクチン接種がなされています。その効果が現れ、元の日常が戻ることが待たれます。
前回の∞メールでは設立の当初から、条件反射制御法を用い、また、取締機関の抑止力を利用する態勢をもつ回復支援施設であるメビウス千葉を紹介しました。
今回は千葉ダルクを紹介します。千葉ダルクは名前のとおり、多くあるダルクの1つですが、他のダルクと大きく異なるのは、設立当初からのプログラムの中心であるミーティングを現在もしっかりと行いながらも、徐々に変化し、現在では条件反射制御法をプログラムの一部にして、また、取締機関の抑止力も利用する態勢をもちます。
他のダルクにも広まることが期待されます。

平井愼二

回復支援施設の紹介

一般社団法人 千葉ダルク

代表理事 白川雄一郎
(2021年4月5日寄稿)

ダルクは1985年6月に東京都の荒川区で開設された薬物乱用者に対応する日本で初めての民間の回復支援施設である。Drug Addiction Rehabilitation Center の頭文字をとってDARC-ダルクとよんでいる。
ダルクの基本的なプログラムはAA、NAの12のステップと12の伝統に基づいた自助グループ型のエンカウンターグループ形式によるミーティングで、これが全国にあるすべてのダルクで共通しておこなわれているプログラムである。
千葉ダルクは2003年4月に千葉県松戸市で全国32番目のダルクとして、その活動をスタートさせた。その後、2005年の千葉市への移転を経て2008年に長生郡に九十九里ハウス、2021年には長生郡にグループホームを2か所スタートさせて、千葉市中央区での生活訓練とともに障害福祉サービス事業所として活動している。
千葉市への移転を機に下総精神医療センターとの連携を徐々に強め、千葉ダルクのクライアントで下総精神医療センターに通院診療をうけている者は、その際に尿検査を実施してもらい、それ以外の対象者と職員は、月に二回の病棟でのメッセージの後に自費で実施していた。これらの自費での尿検査実施対象者も2006年から翌年の9月までは、千葉市の心の健康センターにおいて、嘱託医として勤務していた下総精神医療センターの平井医師による相談業務の一貫として、月に一度、無料で尿検査を実施していた。
過去には千葉ダルクのクライアントが違法薬物を再使用した場合、退寮させざるを得なかったのであるが、尿検査を導入した後は、彼らが千葉ダルクでの回復活動継続を望む場合は、下総精神医療センターに入院してデトックス(解毒)の処置と治療をうけること、並びに、定期的な麻薬取締官との面接を受けることを条件にして、千葉ダルクの利用再開を提案できるようになった。
彼らは、それを受け入れてくれ入院期間が終り千葉ダルクに戻ってきた後も、尿検査を受け、麻薬取締官との面接を続けた。
そのような尿検査の利用は∞連携に従ったものであり、千葉ダルクのクライアントによる違法薬物再使用時の処遇に選択の幅をもたらすとともに、尿検査という方法で自分の目でみて自らのクリーンを確認して、それを他のクライアントや職員と共有することで対象者の中に喜びと平安を生じさせた。そのことは施設内に良好な雰囲気をもたらした。
このことから2018年からはアルコールを含めた簡易薬物検査キットを用いて月に一回程度の職員を含めた全クライアントへの薬物検査を実施している。
また、2011年より、下総精神医療センターでCRCTを維持ステージまで終えたクライアントについては、千葉ダルク内で制御刺激と想像摂取のみを実施し、2012年からは職員体制を整えて、千葉ダルクデイケアセンターと九十九里ハウスの二か所で希望者の疑似摂取(偽覚醒剤と注射器を用いて静脈注射を真似する治療作業)を個別に実施することを開始した。当初は疑似摂取を毎日クライアントにさせるということは認知行動療法のいうところの最強の引き金に毎日さらすことではないかと他のダルクから大いに批判を受けたこともあるが、下総精神医療センターにおいてCRCTの疑似ステージと想像ステージで反応の発現とその低減を経験したクライアントは、千葉ダルク内でCRCTの維持ステージの作業を自らすすんで続ける様子が見られ、自信や安心感をもって入寮生活ができるようである。
昨年(2020年)からは、下総精神医療センターで実習をうけた千葉ダルクの職員が、CRCTを受けていないクライアントに対しても制御刺激を設定し、過去の体験をノートに書き出す作業も始めた。この体験の書き出しは、NAの12ステップで行う過去の振り返りと共通する部分があるので導入しやすかった。
NAのプログラムにおいても、過去の振り返りをするが反省することを目的とせず、事実をしっかりと思い出す。CRCTと異なるところは、NAのプログラムにおいては、その事実を受け入れることが重要であるとしているところである。
今後もCRCTワークブックを有効活用して千葉ダルクで内でのCRCTを充実させていきたい。

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