●ホームページ
●導入までの経緯
メビウス千葉は、下総精神医療センターの平井愼二医師による条件反射制御法と∞連携に感銘を受け、2013年8月26日、市民活動団体として設立した施設である。
入寮者による規制薬物乱用は絶対に通報せず、規制薬物摂取から2週間を経過し、採尿を受けても検挙を成立させる証拠が得られない状態になってから、本人側の同意があれば取締職員に面接させる方法を実行することは、メビウス千葉設立時からの基本的な態勢である。
●現在の取り組み
メビウス千葉は下総精神医療センターまで車で20分ほどの距離にあることから、入寮者のほとんどは下総精神医療センターに通院している。対象者は尿検査を下総精神医療センターで受け、定期的に下総精神医療センターを訪れる麻薬取締官と面接する。
下総精神医療センターで尿検査を受け、麻薬取締官と面接することは予防効果がある。一方で、入寮者による薬物乱用を職員が把握できるのは尿検査ではなく、生活の多くの時間を共に過ごしていることが大きい。入寮者の行動が、突然おかしくなるが、飲酒もなく、思い当たる原因もない場合は、先ず間違いなく規制薬物摂取が原因である。
下総精神医療センターの医師は取締機関に通報しないので、職員は安心して診察を依頼する。このような経緯で受診した者の一部は入院になることもある。また、規制薬物を使った者は入院中に、あるいは入院にならなかった者は定期面接等で、麻薬取締官と面接する。通常は下総精神医療センターで麻薬取締官との面接を受けるが、麻薬取締官の方にメビウス千葉まで来ていただいたこともある。
メビウス千葉は、薬物やアルコールの摂取を過剰に反復する人達だけでなく、痴漢行為や万引きを反復する人達も受け入れており、現在ではその疾病をもつ入寮者が多くを占める。
痴漢行為をやめられなかった人が下総精神医療センターで条件反射制御法を受けた後、1年以上、安定した状態が続いていたが、再発し、痴漢行為をやめられなくなった。その入寮者は、再度、下総精神医療センターに入院し、細部を調整した。その後、その入寮者に職員が付き添って、千葉県警察本部で定期的に面接を受けることを2020年11月から開始した。この原稿を作成した2021年2月末までは再発が抑えられている。