第四回学術集会

2015年07月10日

【開催日】平成27年7月10日(金)
【時 間】11:00~19:30
【会 場】日比谷図書文化館
【住 所】東京都千代田区日比谷公園1-4

ご挨拶


条件反射制御法学会 第四回学術集会の開催にあたって

条件反射制御法研究会会長 平井愼二

条件反射制御法学会は、2012年2月に条件反射制御法研究会として発足し、今年(2015年)4月から現在の名称とし、この技法に関して深く長く関わっていく覚悟を新たにしました。

この会を発足させた当初は、条件反射制御法の効果を高め、普及を目指すことを主な目的としておりました。一方で、研究会として発足した早い時期からこの技法が基盤とする理論がヒトの行動原理を正当に把握したものであり、従って、ヒトの行動を調整する大きなシステムである刑事司法体系のあり方にも影響するであろうと感じておりました。すでに2013年9月にはテーマを「行動原理にかなった技法と司法を求めて」として条件反射制御法学会 第二回学術集会を開催し、第二回学術集会においては、理性的でない第一信号系が反射的に覚醒剤摂取行動を司る状態にあるヒトを想定し、「常用者による覚醒剤自己使用の有責性と処遇」を課題にしてシンポジウムを行いました。また、その後も当会では現実のヒトの行動原理に基づく刑事司法体系を模索し、モデルを構想し、「反復事犯対策研修会」という会を開催して、それらを紹介してきました。

このような流れがあり、現在では、当会は、条件反射制御法の効果を高める方法を検討するだけでなく、ヒトの行動原理を確認し、それに基づいた社会制度を再構成することに貢献するべきであると私は考えています。この目的を会の規定に入れることに関して、第四回の総会で会員の皆様と検討したいと考えております。

さて、今回開催する条件反射制御法学会 第四回学術集会はそのテーマを、「薬物乱用、窃盗、性犯罪等の反復事犯収束に向けて」としました。

それらの行動を抑制する技法を検討したご発表をお待ちしております。

また、我が国の刑事司法体系と精神科医療は、広範囲の行動に影響する形で思考が障害を受けている者による重大犯罪に対応する制度として医療観察法を作り、施行しています。第四回学術集会での焦点には、第一信号系の反射連鎖の過作動により特定の行動に関する思考が実現されないことに基づき生じる犯罪にはどのような対応と制度が必要であり正しいかを検討することも上げられます。

この第四回学術集会ではまず、実施前である制度を変えようという話ですので、気が早いと言われそうですが、「刑の一部執行猶予制度に求められる変革」というテーマで私が基調講演をさせていただきます。この中で、精神病症状も意識障害も精神発達遅滞もないヒトにおいて、第一信号系が優勢となり第二信号系の理性が抑制されて行動する状態が、反復傾向をもつ事犯を成立させることを解説します。

また、シンポジウムではそれを受けて、反復する事犯に対してそれを抑制する新たな刑事司法制度を報告者が提案し、討論を展開致します。このシンポジウムの指定討論は刑法学者である前田雅英先生が引き受けて下さりました。興味深い意見交換とご指摘が期待され、とても楽しみです。

多くの方のご参加をお待ちしております。
時間内容タイトル講師
10:30~受付
11:00~開会式開会の挨拶事務局長挨拶 近藤恒夫
11:10~基調講演刑の一部執行猶予制度に求められる変革平井愼二
12:20~昼食
13:20~総会司会 会長補佐長谷川直実
13:30~一般演題1,2座長1 尾田真言
14:10~一般演題 3~5座長2 中元総一郎
15:20~休憩
15:30~シンポジウム行動原理にかなった刑事司法制度を目指して司会:奥田保 平井愼二 シンポジスト:飯野海彦、尾田真言、髙橋洋平、 指定討論者:前田雅英
17:30~休憩
17:40~一般演題 6~8座長3 長谷川直実
18:40~一般演題9,10座長4 西村武彦
19:20~閉会式閉会の挨拶大会長 平井愼二
19:30~懇親会ライブラリーダイニング日比谷