会員の皆様
ご無沙汰しておりました。皆様、お元気でしょうか。
前回の∞メールを今年3月23日に発信し、その後、時間がなかなかとれずにいました。
さて、条件反射制御法学会第12回学術集会の日が近づいて参りました。開催は9月9日で、今年は4年ぶりに現地会場とオンラインLIVE配信のハイブリッド形式で開催します。
テーマは、「性的他害等を防ぐ試みと展望」です。
性的他害行為は違法行為でもあり、刑事司法体系がかかわる問題でもありますので、西南学院大学法学部教授の平井佐和子先生から、「性的他害行為に対する刑事規制の変遷」という題でご講演をいただきます。
また、治療技法に関しては、早稲田大学人間科学学術院教授の嶋田洋徳先生から「認知行動療法に基づく性的他害等に対する治療的支援」という題でご講演をいただきます。
新たな会員の方は、条件反射制御法は覚醒剤乱用やアルコール症に対するものであろう、なぜ、性的他害行為等を条件反射制御法学会が扱うのかと思われるかも知れません。
この技法は確かに当初は覚醒剤乱用に対して開発したものです。臨床で用いて、数日単位で覚醒剤に対する欲求がどんどん低くなっていく変化を目の当たりにして、まずは目の前の光景が信じられず、あまりにこの疾病ばかりに対応してきた自分はとうとう変になったのではないかとさえ思いました。しかし、なぜ効果が生じるのかを毎日考えているとだんだん分かってきたのです。
生きることは防御、摂食、生殖にときに失敗しても、成功を反復することです。単純ではありますが、生きることに成功した活動は生じ易くなり、生きることに失敗した活動はだんだん生じなくなるという性質が生命を支え、次世代につないできました。その性質は進化を支えてきたのです。その性質を構成する現象には、成功したときに、それまでの神経活動を再現しやすい形で強化するというものがあります。覚醒剤の薬理作用にもその強化効果があるので、覚醒剤を摂取すると動物の進化のシステムに作用して、覚醒剤を摂取するまでの行動、つまり、覚醒剤を探して、準備して、摂取する行動を再現しやすい形で強化して、後にその行動を反射の作動で再現するのです。
そのように整理して臨床で用いている内に、防御、摂食、生殖の行動が現代において過剰に生じる病的な状態にも効果を得られるだろうと考え、物質使用障害に対する技法にいろいろな工夫を加えて、性的他害行為にも条件反射制御法は効果を表すものに高まってきました。このような経過で把握したところを学術集会で私も「生殖本能の過剰な作動に対する条件反射制御法」という題で講演させていただきます。
他には、過去に性的他害行為をした本人からの報告があります。
また、5人の会員の方から報告があります。
しっかりと勉強して、本人の苦悩を改善し、また、被害者の方を生まないようにしたいと思います。
既に申込みの受け付けは始まっていますので、当会のホームページからお申し込みください。皆様と会場またはオンラインでお目にかかれることを楽しみにしております。