会員の皆様
今年も師走になりました。あっという間にときは過ぎていきます。
ヒトの本当の行動メカニズムが一般的知識になり、条件反射制御法が普及し、刑事司法体系が効果的になるように、しっかりと臨床における患者さんの反応を見て、何を提供するべきかを一生懸命考え、勇気をもって、粘り強く主張していきましょう。
上記の意気込みを持ちながら、条件反射制御法を高めていく組織もしっかりと保っていかなければなりません。条件反射制御法学会の役員選挙についてのお知らせが、3頁目に掲載されていますのでご覧ください。まずは、今月18日午後1時からの臨時総会に多くの会員の方が参加されるようお願いいたします。
CRCTを受けた方からの報告
ストーカー行為への関心がなくなっていく(その2)
K.K.
(2021年8月29日寄稿)
入院治療で条件反射制御法を受け、社会に戻った後、さまざまな出会いがありました。そこには人間関係も伴います。
日々生活の中でうれしい事や辛いことがたくさんありますが、時には仕事やプライベートで上手くいかず、ストレスを感じてしまうこともあります。
退院後の治療は、維持ステージの治療作業を自分で行います。その内容は入院時に行っていた制御刺激や疑似・想像・良かったことと辛かったことの読み返し、短時間内観などです。必要な程度は治療をしていたつもりでした。
しかし、退院後に女性関係で失敗してしまい、再入院してしまうことが2回ありました。
女性との交際関係が思うようにいかず、気持ちがイライラしてしまい、女性に連絡を強要してしまったり、SNSに不適切な内容を投稿してしまったりして、迷惑をかけてしまったのです。
その原因としては、少なからず維持作業の取り組み方に問題もあったのではないかとも思います。
体験を書き出したノートの読み方も想像も流れ作業になってしまって、怠ってしまったこともあり、2回の失敗があったのだと思います。
再入院中にはしっかりとこれまでの治療を継続しつつ、今後退院してからどうするかを、自分自身を分析しながら、ゆっくり落ち着いて考える時間をとれました。
2回目の失敗後に入院治療を受け、過去の入院治療と同じように、退院時には女性の顔も思い出せなくなり、治療の効果を再び感じることもできたので入院してよかったとその1で記載させていただいた条件反射制御法の治療についての自信を改めてつけられたことも、とても良かったと感じています。
現在は、維持作業を毎日実施し、安定した生活を過ごしています。定期的に外来にも通い、医師ともコミュニケーションをとっています。
制御刺激や疑似、想像、書き出しの読み返しは歯を磨いたりお風呂に入ったりするように私の日常の生活の一部となっています。
入院中に苦悩しながら書き出したつらかった出来事を読み返しても今は何も感じなくなりましたし、むしろつらかった出来事は実際大したことのない日常の出来事に感じます。
良かったことに関しても何度も読み返すことでその話の背景にも気づくことができ、周りの家族や友人に感謝の気持ちをより持つことができ、生活を充実させることができています。
このまま読み返し、さらに発見がないか楽しみにもなっています。
入院時には、落ち着いて治療に取り組むことができ、確実に良くなった状態で退院を迎えることができていたとしても、社会生活での自分自身のストレスから問題行動に走らないためにもやはり退院後の維持作業については実際に私自身が2回の再入院も経験しているので、最も重要なものであると考えます。
体験を書き出したノートの読み方や想像の取り組み方については、2回の失敗があったので流れ作業にならないようにしっかりと同じ内容でも最初から最後まで読み、そこで見えたものをノートに書き出すことを毎日意識して取り組んでいます。何回も読み続けていても見え方も毎回変わるので、同じ内容でも日々違うことも実感できています。
私にとってこの治療はこれからもストーカー行為を再発させないためにも、被害者を出さないためにも、そして私自身これから良い恋愛をするために、自分自身のとても大きな御守りでもありますし、この治療法のおかげで円滑な社会生活につなげられる事に心から喜びを感じています。